第33章 恐怖再来
「お前、通り魔の特徴知ってる?」
授業中、松崎君が振り向いて言った。
シャーペンであたしのノートになにか書いてる。
やっぱり下手くそ。
宇宙人みたいだ。
「知ってるよ、山吹色の髪の男の人でしょ?」
「は?」
「だから、山吹色の――」
「ちげーよ。」
松崎君はそう言うと宇宙人の頭にグルグルの渦の紐をいくつも書いた。
そして、宇宙人の身体を薄い黒で塗り潰す。
それから、宇宙人の顎に短い髭を書いた。
「ドレッド頭の髭の生えた黒人だ。カップルばっか狙ってるらしいぜ。」
彼はそう言うと、宇宙人の横にバカと書き加えた。
「え?」
彼の顔を見た。
「俺の先輩が女連れてる時やられたんだ。結構強いって有名な先輩だったけど、腕と足が折られてる。半端なく強いらしい。……お前、大丈夫なんかよ。」
鋭い目付きで彼があたしを見た。