第32章 嫉妬深い彼とズルいあたし
結局別れなかった。
よくよく考えれば、彼を嫉妬深くさせてるのもあたしのせいだ。
優柔不断なあたし。
迫られると拒めない。
そんな性格のせいで彼は不安になっている。
それなのに、あたしは彼のせいにして…。
やっぱりあたしはズルい。
「桜………。」
あたしの足の間から顔を上げて彼が呟いた。
彼の手が伸びてくる。
あたしの大好きな手。
愛情を注いでくれる。
「愛してる…。」
覆い被さる彼が呟きながら、ゆっくりと動く。
「ハァハァ……。」
乱れる呼吸。
垂れる汗。
こんなあたしを愛してくれる。
あたしの愛は此処にある。