第31章 孤独
三ヶ月独房に入れられて出てきた頃には、彼に逆らう者はいなくなった。
皆が頭を下げる。
年上でも関係なく。
手下も増える。
でも、彼は満たされない。
孤独感に――――
だから、標的を見つけては殴り続けた。
収容期間が延びに延びて、十六歳の春。
ようやく出所した。
迎えにくるものはいない。
坊主の彼は荷物を持ってユラユラと歩いた。
たどり着いたのは6年ぶりの我が家。
鍵を開けると、あの時と変わらないままの部屋だった。
遺影の前の供え物や花が綺麗なままだ。
きっと、祖母達がかえていたのだろう。
そこへ座り手を合わせた。