第30章 恐怖
「…気絶してねぇんだろ?さっさと起きろ。」
煙草を取り出してくわえジッポーで火をつけた。
「……薬ぃ…―――。」
ゆっくりと、亜久里が立ち上がる。
「薬が切れたんか?苦しいんかよ?」
煙を吐き出し誠也君は睨み付けた。
「………黙れ……黙れ黙れ黙れぇぇぇええ!!」
亜久里は息を荒くしながら叫んだ。
そして、彼女が逃げた方へ走ろうとする。
「行かせるか!!」
誠也君と大川先輩は彼を捕まえた。
「邪魔だぁぁああ!!」
「うわっ!!」
が、物凄い力で二人は投げ飛ばされた。
そして、再び亜久里は走り出した。
「まて!!」
二人も走り出す。
しかし、亜久里はどんどん引き離していった。