• テキストサイズ

レッテル 1

第30章 恐怖




「ハル――!!」

路地の奥に行くと血だらけの大川先輩が倒れていた。
その頭を山吹色の髪の男が踏みつけている。

「テメェッ!!」

誠也君は走りながらドロップキックをかます。

バコンッ―――

男の頭に命中した。
男が吹っ飛ぶ。

ズササササ――――

誠也くんの革靴が地面を擦った。

「テメェか?清と翔をやったのは?」

彼は立ち上がると男を見下ろしながらゴキゴキと首を鳴らした。

「クックックッ――さぁ?殺したやつなんざ……覚えてねぇ…。」

口から出た血を舐めながら立ち上がった。

「お前誰なんだよ?どこの族の者だ?」

「族?」

「暴走族だ。」

「……俺は……平 亜久里(ひら あぐり)…族なんぞに興味はねぇ…。」

瞳孔が開ききったブルーの瞳が誠也君をとらえる。

「お前…日本人じゃねぇな――ハーフか?」

「まぁな…イギリスと日本人のハーフだ。……そんなことはどうでもいい。さっきのもう一回やれよ。」

ダラダラと涎を垂らしながら彼を見ている。

「薬中か……テメェ…気持ちわりぃゾ?」

彼は睨み付ける。

「ヒャハハハハ――殺してやる!!」

亜久里が彼目掛けて走った。




/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp