第30章 恐怖
「清!!どうしたんだよソレ!!」
次の日。
教室に来た西村先輩を見て、誠也君と藤崎先輩は驚いた。
頭や腕には包帯を巻いて顔中アザだらけだ。
左の瞼も唇も腫れている。
「………。」
西村先輩は何も言わずに席に着いた。
「おい!!」
誠也君が叫ぶ。
教室中の人が彼を見た。
脅え気味に。
「……やられたんだよ…昨日。」
西村先輩が呟く。
「誰に!?」
「…知らねぇよ。突然、建物の間から山吹色の髪をした奴が出てきてよ…。トルエンくせーで…。」
「薬中か?」
藤崎先輩が尋ねる。
「…あぁ。俺だけじゃねぇ…翔もやられた。」
「は!?」
「…めちゃくちゃつえーんだよ、俺の拳なんかきかねぇ!!」
ダンッ―――
西村先輩は机を叩いた。
「清……。」
「マジ…殺されるかと思った…なんとか逃げ出したけど――」
彼は頭を抱えた。