第29章 紫の特攻服
「今日の総長の走り、マジキマってました!!総長が前に出るとなんだか隊が締まるっス!!」
走りが終わった後、いつもの集会所で嶋中さんが握り拳を作って言った。
「マジ、男っス!!」
兵隊達が感動している。
「テメェ等何言ってんだよ。」
誠也君はガシガシと頭を掻いた。
でも、満更でもない様子だ。
「姉御もマジイイッス!!」
「さすが総長!!」
さらに感動している。
どこが!?
あたしのポニーテールが揺れる。
「だろ?」
彼があたしの頭を撫でた。
あたしとしては、早く脱ぎたい。
「紅一点っスねェ、なんつーか色っぽい。」
ジロジロと兵隊達が見てくる。
「あ?」
膝に肘をついた誠也君が威圧的に彼等を見た。
「なっなんでもないです!!」
「………ぷっ…。」
幹部の人達が笑った。