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レッテル 1

第28章 下と上




裏通り廃墟ビル―――


「おぅ、杉本ぉ。やっと来たか。」

「おぜーゾ。」

「取って来たんかよ?」

薄暗い建物の中にカラフルな髪の色をした男達がたむろっていた。
皆ピアスをあけていて、目付きが良くない。
建物の中には異臭が漂っている。

「は…はい。」

瓶を抱えた杉本は彼等の元へ走った。

「純トル、マジ臭い最高〜。」

蓋を開けた茶髪の男が瓶を鼻に当てている。

「オィ、キメ過ぎんなよ。売り捌くんだから。」

赤髪の男も瓶を開けている。

「オィ、純トルだけかよ?パケは?」

一番デカイ金髪の男が杉本を睨む。

「いや…その――」

杉本は怯えて後ずさっている。

「はーい、杉本君が脱ぎまーす。サンドバッグ決定。拍手ー。」

金髪の男がパチパチと手を叩いた。
続くように手を叩く音がする。

「ほら脱げよ。」

男の眼光が杉本に突き刺さる。
杉本は震えていた。

「脱げねぇなら俺が脱がしてやろうか?」

金髪の男が近づいてくる。

「山代さん…やめてください。」

震える声で杉本は呟く。

「イッツショータイム。」

山代の手が服に伸びた。



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