第28章 下と上
「……ところで、加藤はどこいったんや?」
夛田から足を退かすと、部下を睨み付ける。
「さ…さあ…。」
部下は知らないという顔をした。
「……っ……。」
松下は舌打ちすると携帯を取りだし電話した。
しかし、何度呼び出すが出ない。
「あの…クソがきゃあ!!なめくさってからにィ!!」
眉間に大量のシワを寄せる。
そして、荒々しく電話を切った。
「おどれ等!!ガキを探せ!!見つかるまで帰ってくんじゃねーぞ!!」
「はっはい。」
部下達がゾロゾロと事務所を出ていく。
「クソ…狛犬は使いにくいのぅ。」
松下は煙草を取り出した。