第28章 下と上
「まて、ガキがぁ!!何してくれとんじゃあ!!」
突然三階から叫び声が聞こえてきた。
そして無数の足音が上から降りてくる。
「……っ…―――」
一番最初に降りてきたのは黒髪の少年だった。
中学生だろうか。
学ランを着ている。
手には茶色い小瓶をいくつか持っている。
物凄いスピードで走っていった。
「まてや!!」
その後に遅れて松下の部下たちが降りてきた。
「どないしたん?」
走っている中の一人を加藤は捕まえた。
他の連中は外へ出ていく。
「ガキが純トル盗みおって逃げ出したんっス。」
「は?」
「早く捕まえないと松下さんが…。」
「さよか。」
加藤が離すと男は外へ出ていった。
「……たく。」
首をボキボキ鳴らすと加藤は箒を投げ捨てた。
そして、彼も事務所を出た。