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レッテル 1

第3章 罪と罰




「…いたっ…痛いよ、誠也君。」

帰り道、誠也君は無言で歩いていた。

あれから一言も喋らない。

あたしの掴んでる手が力強い。

彼、きっと怒ってる。

あたしは彼の背中を見つめた。



駅についた頃、誰からも見えないような死角になる場所に連れてこられ壁に押さえつけられた。

「やっ……。」

いつもの誠也君からは想像できないほど激しいキスをされた。

そして、彼はあたしの首に顔を埋めた。

「ん……。」

生温かい感触が首筋にあたる。


何がなんだかわからなかった。

それよりも急に彼が恐くなった。

「やめて!!」

目に涙をためながらあたしは叫んだ。

「……お前は…。」

誠也君は顔を上げた。

「俺の言いなりになればいいんだよ!!」

そう言って彼はあたしのブラウスのボタンを引きちぎった。

白い肌が露になる。

「さい…てい!!」

あたしは彼の頬を思いっきり叩いた。

「あんたなんて…」

ポロポロと涙が溢れ出す。

「あんたなんて…大嫌い!!」

あたしがそう叫ぶと、彼は辛そうな顔をした。

どうしてそんな顔をするの?

罪悪が溢れて来る。

あたしはその場にいるのが辛くなって逃げ出した。



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