第26章 頂点を狙う者
「うぉりゃあっ!!」
バシッ――
「クソがぁ!!」
バシッ――
加藤の両方の拳を彼が受け止めた。
「………殺す…殺す――。」
「うるせぇ!!」
取っ組み合っている。
「…テメェは許さねぇ!!」
グシャッ―――
「かはっ―――」
加藤の顔面に頭がめり込む。
グシャッ―――
「ぶっ―――」
何度も。
加藤はよろめいた。
「お前は今日ここで死ぬんだ……。後悔もできねぇくらいにな!!」
ガシッ―――
彼が加藤の首を掴んだ。
「や…やめ――」
「死ねぇ!!」
パリンッ―――
「うっうわぁぁああ!!」
窓ごと彼は加藤を外に投げ飛ばした。
加藤が叫び声と共に落ちていく。
ガシャンッ――
すごい音がした。
運よく彼は車の上に落ちたのだ。
「あっ兄貴――!!」
部下が窓から下を見る。
下には気絶した血だらけの加藤がいた。