第26章 頂点を狙う者
「……暴走族ごときが…極道に手出したらどうなるかきっちり教えてやるわ……。」
加藤が誠也君の髪を掴んだ。
バコッ―――
バコッ―――
バコッ―――
バコッ―――
何度も何度も拳が腹に入る。
そのたびに、彼は血を吹き出す。
「もう…やめてよ。もうやめて!!」
あたしは、加藤の所まで走った。
「やめて!!」
加藤の腕を掴む。
「邪魔くせえっ!!女(あま)がしゃしゃんじゃねぇっ!!」
「きゃっ!!」
加藤の振り払った手があたしに当たる。
あたしは吹き飛んで壁に頭をぶつけた。
「……。」
そこからあたしの記憶がなくなった。