第26章 頂点を狙う者
闘いは長く続いた。
「うりゃあっ―――!!」
ドコッ――――
誠也君が飛び上がり加藤にドロップキックを喰らわす。
ガシャン―――
ガラスに加藤が突っ込んだ。
上半身が外に飛び出る。
「……クッ……クックックッ…。」
加藤がゆっくりと上半身を起こす。
血だらけの顔が彼を捕らえる。
ゴォォオオ――――
強い風が割れた窓から吹き荒れる。
「おもしろいぞ…秋本ォ……。」
加藤の口角がつり上がった。
そして、下唇を舐める。
不気味だ。
「あ…兄貴がキレた…。」
誰かが呟いた。
ドコッ――
その瞬間、誠也君の下腹部に痛みが走る。
「……ぐはっ―――」
「誠也君!!」
彼は大量の血を吐き出した。