第26章 頂点を狙う者
「佐藤、高橋。」
「はい。」
男の声に男達が入ってくる。
「しっかり撮るんや。嬢ちゃん上玉やさかい、DVDにしたら売れるで。」
男があたしの制服に手をかける。
恐い。
橋田の時や、白石先輩の時よりもはるかに。
これが、極道なのだろうか。
やはり、みんながみんな宗次郎さんみたいな人じゃないんだ。
恐怖で涙が溢れてきた。
「泣かんといてーな。泣いたらワシ、興奮して壊してまうで?嬢ちゃんの大事なとこ。」
ゆっくりとボタンを外す。
あたしは、涙が溢れて来ないように手で目を押さえた。
抵抗しても無駄だと分かってる。
見ただけで彼がどれ程強いかわかる。
「顔隠したらあかん。売れんくなるんや。おい、高橋。」
「はい。」
高橋という男に両手を押さえられた。
「……っ…。」
男が首に顔を埋めてきた。
あたしは、声が出そうになるのをたえる。
「鳴き?なかな売れんで。」
「……ん……。」
キスをされた。
ザラザラとした舌が入ってくる。
彼の舌があたしの舌に絡みつく。
あたしは目を強く瞑った。
これは彼。
これは、誠也君なんだ。
そう思って必死にたえた。
その後の行為もたえた。
彼を想像して。