第3章 罪と罰
「ありがとう。」
転がったボールを吉田君が拾ってくれた。
「………別に。」
吉田君は顔を背けた。
ドンッ
そんな時彼に飛んできたボールが当たった。
「吉田君大丈夫!?」
「あー、わりぃわりぃ手が滑った。」
飛んできた先に松崎君がいた。
「わざとでしょ!?」
あたしは松崎君を睨み付けた。
「だから、手が滑ったって。ゴメンネ、よ・し・だチャン♪」
そう言って彼はボールを取った。
「…でもっ―――」
「…いいよ、俺気にしてないし。」
吉田君は自分のボールを持つとペアに戻っていった。
「さくちん。」
千加の呼ぶ声がした。
あたしは彼が気になったが元の場所に戻った。