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レッテル 1

第26章 頂点を狙う者




「ようやっと来たで、ワシへのチャンスが!!」

岩中宅への帰り道。
扇子を扇ぎながら彼は陽気に歩いていた。
人がそこを避けている。
傷たらけの顔が恐ろしくて仕方ないのだ。

「おい、姉ちゃん。ワシとエエとこ行くか?」

スタイルの良い大人の女性に声をかける。

「い…いいえ。」

女は逃げるように歩いていった。

「なんや…つれんなぁ。身体をだけかい。」

金髪の頭を掻く。

しばらく歩いていると高校生らしき女が目に入った。
高校だが、結構可愛い。

「おい、姉ちゃん。ワシとどっかいこや、奢ってやるさかい。」

「…いえ、結構です。あたし、早く帰らないと誠也君待ってるんで――」

「ちょい待ち。」

女は逃げようとしていたが、手を強く掴んだ。

「誠也?誠也ゆうたら、秋本か。」

女に顔を近付ける。

「え?あ…はい。」

顔の目の前なので女は恐がっていた。



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