第3章 罪と罰
「吉田ぁ、ちょっと来いよ。」
10分休み。
松崎君が吉田君を呼んだ。
後で山中君が笑っている。
「……うん。」
吉田君は返事すると松崎君達の後について教室を出ていった。
「まーた、あいつ呼び出してる。」
松崎君の席に座って千加が言った。
「え?何が?」
「しらないの?今目立ってる男子グループに吉田遊ばれてるんだよ。」
「遊び?」
「うん。といっても遊びという名のイジメ。何が気に入らないのかしんないけどさ、なーんかガキ臭いよねー。」
イジメ。
その言葉が頭に残った。
そういえばさっき松崎君が気持ちわりぃっていっていた
あれ、吉田君の事だったんだ。
あたしはチラリと彼らが出ていったドアを見た。
「まぁ、あたしには関係ないけど。」
そう言って千加は窓の外を見た。
「あぁ、そういえば三時間目体育じゃん。しかも今日バスケだし、だる。」
千加は頭を掻いた。