第3章 罪と罰
悪いイタズラだ。
あたしは勢い良く鞄に携帯をしまった。
「どうした?」
山中君と話していた松崎君が振り向いて言った。
「べ…べつに。」
あたしは何事もなかったかのように黒板の文字をノートに写し始めた。
「ふーん。」
「なに?」
松崎君はあたしの顔をじっと見ると別にと言った。
そして、あたしの筆箱からシャーペンを取り出すと、あたしのノートの端に何かかきはじめた。
気になってあたしはそれを見つめた。
「お前。」
そう言って松崎君は笑った。
そこに描かれていたのは下手くそな宇宙人みたいなもの。
「下手くそ。」
あたしも思わず笑った。
「何見てんだよ、吉田。」
突然松崎君が言った。
「……別に…何も。」
吉田君はそう応えるとノートに目を向けた。
「気持ちわりぃ。」
すると松崎君がそう呟いた。