第24章 男の中の男
「クソッ…。」
ドサッ―――
加藤はソファーに腰掛けた。
そして、懐から愛用の扇子を取り出す。
それを開くとパタパタと扇いだ。
「兄貴は甘過ぎるんヤ、のぅ中原。」
「はっはい。」
坊主の男が返事した。
「なにが時期や……兄貴は極道に向いとらんさかい、甘ちゃんなんや。」
右足を上げて足を組んだ。
「やっぱり、ワシがわかがしになるべきなんや。だが、ワシじゃ兄貴には勝てんわ。それはよーわかっとる。」
「兄貴…。」
「まぁ、それよりも秋本いう男潰さなアカンな。族ごときにナメられたら極道はしまいや。やけんやるでお前等。」
「しかし…わかがしが――。」
グシャ――――
「あがっ―――」
「アホか!?おどれは!?黙っとりゃあいいんじゃ!!秋本のタマとりゃあ兄貴もなんもいわへんやろうがっ!!頭つかわんかい!!ドアホッ!!」
加藤は立ち上がると金髪の男を殴った。
鼻から血が吹き出る。
「すっ…すいません…。」
男は鼻を押さえた。
「まあええわ。ちゅーわけで、おどれ等兄貴に喋ったらどうなるかわかっとろうな?」
威圧的なオーラを醸し出す。
「はっはい。」
「ほな、よろしく頼むわ。」
加藤は扇子を閉じた。