第23章 デート(仮)
「…やれやれ。僕を取り合って――」
「死ね!!」
バコンッ―――
「うがっ――」
ドサッ――
誠也君が望月先輩の顔面を殴った。
望月先輩が地面に倒れる。
「しんちゃん!!」
女達が先輩に近寄った。
「お前…顔もうぜぇけど存在もうぜぇな。」
煙草をくわえながら誠也君が言った。
ジッポーで火をつける。
「…そ…それは僻みか?」
よろよろと立ち上がりながら先輩が呟く。
「いや、そういうのマジうぜぇ。」
煙を吐き出す。
「あとさ、そこのバカ女共よりも俺の桜のが何億倍も可愛いわ。化粧濃いだけだしよぉ、いろんな男に股開いてんだろ?きたねぇ。」
上から睨み付けながら彼が呟く。
「何ですって!?」
女達が吠えた。
「鏡見てみろ。目の前に妖怪がいんぞ。」
薄ら笑いを浮かべながら言っている。