第23章 デート(仮)
「見てぇ、あの子あたし達が可愛いからって嫉妬してるぅ。」
さらに女達が笑いだす。
あたし、こんなこと思ったことないけど…
死ね!!
本心からそう思った。
「いくぞ。」
誠也君は彼等に興味無さそうにあたしの手を握った。
「つーか、君達まだ続いてたんだぁ。遊びかと思ってたよ。」
「あ?」
振り向いた誠也君の眉間に大量のシワが寄った。
「だって、身体目当てでしょ?その女にはそれしか―――」
ガシッ――
「ぁあっ?今なんつった、テメェ…。」
誠也君は望月先輩の首を掴んで持ち上げた。
メキメキと指が首に食い込む。
「あ…あ…。」
望月先輩は苦しそうにもがいている。
「きゃあぁぁああ!!」
女達が騒ぎ始めた。
「次言ったら…殺すぞ。」
誠也君の眼光が望月先輩に突き刺さる。
ドサッ―――
そして、先輩を離した。
「いくぞ。」
「え?」
それから、彼はあたしの手を引っ張って歩きだした。
映画館とは逆方向に。