第23章 デート(仮)
「あっれぇ?その真っ赤な髪の色は秋本くーん?」
映画館に入ろうとしたら後ろから声がした。
いかにもチャラそうな。
ゆっくりと振り向く。
「誰だテメェ?」
振り向くとそこには女を何人も連れた男が立っていた。
「あれぇ?俺の事忘れたぁ?」
しゃべり方がうざい。
あたしは純粋にそう思った。
「しらねぇ、うせろ。」
誠也君はそう言うと前を向いた。
あたしも前を向く。
「つれないなぁ。俺の事忘れたぁ?」
「うぜぇ。」
「望月だよ。中学の時お世話になった望月 真吾(もちづき しんご)。」
「は?」
二人は後ろを振り返った。
あれが、中学の時憧れだった望月先輩!?
あたしは目を見開く。
綺麗だった黒髪も金髪になっているしピアスもいっぱい開けている。
それに今の望月先輩は全体的に"チャラい"という言葉がよく似合う。