第23章 デート(仮)
「あんま俺こういうとこ好きじゃねーんだけどよ…。」
彼は頭を掻きながら言った。
うんうん。
今、あたしはものすごく感動している。
あの人混みを嫌う彼が映画館に連れてきてくれたのだ。
「つか、なんでそんな短けースカートはいてきてんだよ。」
不機嫌そうに彼があたしを見た。
「えー?普通だよ。」
あたしは自分のスカートを見ながら言った。
黒のミニスカート。
やっぱり短かった?
自分でも自覚している。
「普通じゃねぇ。」
周りをキョロキョロしながら彼は言っている。
しかも、眉間にシワを寄せて。
「しかも、胸元強調すんな!!」
彼があたしの上着を引っ張って隠した。
とんだヤキモチ妬きだ。
「だって可愛いでしょ?」
「そういう問題じゃねぇ。」
さらに彼が不機嫌になった。