第23章 デート(仮)
「おい。」
「…ん……。」
次の日。
AM10:15
寝ているあたしを彼が揺さぶった。
重たい瞼を擦りながら彼を見る。
「…あれ?なんで着替えてるの?」
黒の上着にジーパンをはいた彼が上からあたしを見ている。
「行くんだろ?」
「なにが?」
「……デート。」
彼はそう言うとあたしから目をそらし頭を掻いた。
首の金色のネックレスがキラリと光る。
「…え?」
昨日、諦めろって言ったんじゃあ…
不思議に思い彼を見る。
「…はやくしろ。」
彼はあたしを見ない。
「うん。」
あたしは、笑顔で返事した。