第23章 デート(仮)
「あのね…誠也君。」
「なんだよ?」
「…デートしよ。」
土曜の夜。
部屋のソファーの上で煙草を吸う彼にあたしは言った。
「はぁ?なんで今さら、いつもしてるじゃねーか。」
彼は煙草を灰皿で揉み消すとバイクの雑誌を手に取った。
「違うの!!映画館いったりカフェでお茶したり、とにかくデートらしいデートがしたいの!!」
あたしは、雑誌を読む彼に詰め寄って顔の目の前で言った。
「…俺が、そんなの似合うと思うか?」
「う……それは―――。」
「諦めろ。」
彼はそう言うとあたしにキスした。
「もう知らない!!」
立ち上がるとベットに向かう。
「なにしてんだ?」
「寝る!!」
あたしは、ベットに入ると目を閉じた。
期待したあたしがバカだった――