第22章 超回復力
「このままじゃ、おじきどころか兄貴の面子も丸潰れジャ!!今度はワシが出るさかい、おどれはおとなしゅう回収でもしとれや!!」
「しかし…」
「あぁん?まだ、なんかあるんかィ?」
「もう一回…ちゃ…チャンスを―――」
グシャ――――――
「うがっ――――」
もう一度テーブルに叩きつけられる。
さらに血が吹き出る。
「寝言は寝て言うもんやで?おどれ、ほんまに寝るか?ぁあっ?」
加藤は激しく睨み付けた。
「…すいませ…ん…。」
「まぁいいわ。」
そう言って、加藤は松下を離すと再びソファーに座って煙草をくわえた。
そして、ジッポーで火をつける。
「今回はワシが出る。あの男とやりおうてみたかったさかい。」
煙を口から吐き出す。
「ですが―――」
「おどれは黙っとれ!!それとも、ワシが負ける言うんか!?ぁあっ!?」
鋭い目付きで加藤は松下を睨み付けた。
「いっ…いいぇ…。」
松下は怯えぎみに応えた。
「もう、おじきにも兄貴にも恥かかせんわ。…ほな、そういう事で…おつかれさん。」
加藤は灰皿で煙草を揉み消すと事務所を出ていった。