第21章 儚い想い
四日目の朝。
未だに彼等は起きない。
ピッ―ピッ―という規則正しい機械音が頭に響く。
心配であの日から一睡もしていない。
食事も。
体がそれ等を拒んでいる。
藤崎先輩達は交代で来ていて、何度も帰るように言われた。
けれど、あたしは拒んだ。
今のあたしの居場所はここだ。
彼等と共にあたしはここにいるのだ。
「…………。」
昼過ぎ頃。
なんだか、彼が二人に見えてきた。
神様は苦しむ彼を増やして、あたしに罰を与えるのか。
あたしが、彼以外の人と口付けをしてしまったから怒っているのか。
あぁ、これは罰なんだ。
あたしはそれを受け止めよう。
PM3:00
今度は三人。
PM5:00
今度は四人に増えた。
PM6:00
もう部屋中に彼がいる。
皆ただ眠っているだけ。
なぜ、起きないの?
なぜ、皆眠っているの?
眠った彼が迫ってくる。
グルグルとグルグルと。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――――。
そこで記憶が無くなった。