• テキストサイズ

レッテル 1

第3章 罪と罰



すると、誠也君の額に更に紫波が刻まれた。

彼を睨み付けているのがあたしにでも分かる。

松崎君を。

本当はもう気づいてるの?

本当はもう……すべてしってるの?

そう聞きたかったが聞けなかった。

だってまだ彼が好きだから。

誠也君のことが…。

別れたくない。

あたしって



"ズルい"



「桜。」

「え……。」

あたしが俯いていると、誠也君があたしを呼んだ。

顔を上げると生温かいものが唇に触れた。

何が起こっているか気づくのに少し時間がかかった。

「お前は俺の女だ。ガキには渡さねぇ。」

そう言って彼は教室の入口を見た。

松崎君のこと?

頭のなかで彼に問う。

「帰りまた来る。」

「……うん。」

彼はそう言って歩いていった。

ガンッ―――

松崎君が壁を蹴った。




/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp