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レッテル 1

第3章 罪と罰




「なんで電話無視した?」

廊下で唸るように誠也君が言った。

「無視…してないよ。」

バンッ

誠也君は壁を力強く叩いた。

あたしの後ろは壁。

彼が迫ってくる。

「メールも何度も送った。なのに…お前は…ーーーー。」

彼はうつむいた。

それでも分かる。

彼が怒っているということ。

こんなこと始めてだ。

「……あの晩何してた?」

「あの晩?」

「電話した日。」

きっとあたしが松崎君とキスした日だ。

ドキドキと胸が鳴り出す。

「……べつに……何も。」

あたしは彼から目を背けた。

すると、教室の入口で立っている松崎君と目があった。

そして、声を出さずに松崎君の口は動いた。

"好きだ"

と。

頬が赤くなりそうになる。

あたしは俯いてそれを隠した。

それに気づいたのか、誠也君はあたしが見ていた方を見た。



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