第3章 罪と罰
一週間の合宿はあっという間に終わった。
今日は久々の登校日。
あれから誠也君とは一度も連絡をとっていない。
どの面下げて会えというの?
あたしは彼を裏切った。
だから彼の彼女でいる資格はない。
「さくちん、おはぁ。」
とぼとぼと校門を歩いていると、誰かが後ろから抱き締めてきた。
声からして麻央だ。
「おはよ。」
「どうしたん?元気ないね。」
「そうかな?」
「うん、何かあった?」
「う…ううん、なにも。」
あたしは笑顔で誤魔化した。
教室について机に鞄をかけると机の中に何か入ってるのが見えた。
茶色い封筒。
見覚えがない。
あたしは気になり中身をみた。
"二股女"
中には赤い字でそう書かれた紙と写真が。
「なにこれ……。」
あたしは写真を見て目を丸くした。
その写真というのは、あたしと松崎君がキスをしているところ。
もし、こんなものが誠也君の目に触れたなら、彼はどんな顔をするだろうか。
あたしは紙と写真をビリビリに破り捨てゴミ箱に捨てた。
「桜。」
そんな時誰かがあたしを呼んだ。
あたしは顔を上げる。
「せ…いや君。」
あたしは全身の血が引いていくのを感じた。