第20章 犠牲
「死ねぇ!!」
グシャッ―――
「ブヘッ―――」
誠也君は地面に松下を叩きつけた。
「……テメェは……。」
「ひっ…――」
ゆっくりと近付く彼から松下は転がるように逃げている。
「……今日……」
「ひぃ―――」
「……死ぬんだ……」
「ひぃぃ…―――」
全身血だらけの彼が迫ってくる。
「わっワシャ死なねぇ!!」
バタン―――
松下は車の運転手席に飛び乗った。
そして、鍵を閉める。
「鍵鍵鍵鍵…鍵はどこじゃ!!」
必死に車の鍵を探している。
「まっ松下さん!!」
部下が車の窓を叩いた。
「さっさと乗れ!!」
再び鍵を開ける。
ガチャ―――
バタン―――
「鍵貸せ―――」
ドンッ―――
松下が鍵を受け取ろうとしたら運転席の窓から音がした。