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レッテル 1

第20章 犠牲




「急げ!!病院に運べ!!」

兵隊や幹部の人達が勇人君に近付く。

「ガキ一人撃たれたぐれぇで大袈裟なんジャ。のう、秋本。」

松下が俯いて立ち尽くしている誠也君に笑いながら言った。

「ワレもすぐに同じ結末にしちゃるけんのォ。」

今度は誠也君に銃口を向ける。

「………す。」

「あぁん?」

「……ころす。」

「遺言か?ハッキリしゃべらんかィ!!」

「テメェだけは許さねぇ……。」

彼の瞳孔が開ききった。
額から血を滴ながら松下を見ている。
人を殺すような目で。
ゆっくりと松下に近付く。

「来んじゃねぇ!!」

パンッ――――

松下は引き金を引いた。
銃弾が彼の肩に当たる。
彼の動きが一瞬止まった。
けれど彼は歩み続ける。

パンッ――――

パンッ――――

何度も体に命中する。
けれど、彼は倒れない。
松下に近付き続ける。

カチャカチャ―――

とうとう弾が無くなった。

「クソッ―――」

松下は拳銃を投げ捨てた。






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