第20章 犠牲
パリンッ―――
銃弾が窓ガラスを突き破った。
「この…ガキがァ。」
松下が腕の中にいる勇人君を睨み付けた。
「…ざまーみろ。」
勇人君が呟く。
勇人君がギリギリでもがき、松下の手を蹴飛ばして銃口をずらしたのだ。
「勇人よくやった!!」
藤崎先輩達が叫ぶ。
「ワシャぁ、ガキとワシに歯向かう奴が大嫌いなんジャ!!」
ボコッ―――
「かはっ―――」
「勇人!!」
松下が拳銃を持った手で殴った。
ドサ―――
勇人は血を吹き出しながら地面に落ちた。
「お前はもう用無しだ。あばよ、ガキ。」
松下が勇人君に銃口を向けた。
「勇人――!!」
パンッ―――
誠也君は勇人君めがけて力一杯走ったが間に合わなかった。
銃弾が勇人君のお腹に命中した。
「かは―――。」
勇人君は血を吹き出した。