第20章 犠牲
「黒は女の魅力を引き立てるんですよ。」
そう言って黒のドレスワンピースと黒のストッキングが渡される。
フェミニン系だ。
「着てみてください。」
そう言って試着室に入らされた。
着物を脱ぐのは大変だ。
重たいし。
やっとの思いで脱ぐと、渡された物を着た。
ふわふわしてなんだか可愛い。
「着替えました。」
「これを履いてください。」
次に出されたのは黒光するハイヒールだ。
言われた通りにはいた。
「では、こちらへ。」
次に案内されたのはメイク室だ。
高級な椅子に座らされ美容師の方に髪を触られる。
「………。」
ジッと変わりゆく髪を鏡を見ながら眺めていると瞼が重くなってきた。
今日は一気に色々ありすぎて疲れた。
皆無事だといいけど。
あたしはゆっくり目を閉じた。