第19章 初会
「今日はありがとうございました。例の件なにとぞよろしくお願いします。」
店の入り口に停めてあるスモーク貼りで黒光りする高級車の後ろに乗った宗次郎に松下は頭を下げた。
「あぁ、わかった。お前も頼むぞ。」
窓を少し開けて宗次郎は言った。
「といいますと?」
「写真の事だ。」
ちょっと強い口調で宗次郎は言う。
「あぁ、勿論。おまかせください。」
「たのんだぞ……行け。」
彼の合図で車は走りだした。
まだ松下は深々と頭を下げている。
「クックックッ……ハッハッハッ!!ざまーみろ、加藤。すぐに喰ってやるけんのぅ。」
彼は顔を上げると不気味に笑い出した。