第18章 絶望から希望へ
「松下さん……今日回収した金です。」
外から帰ってきた男の人が松下に言った。
勇人君の家に来ていた人だ。
「あっ!!この前のクソ女(アマ)!!」
男も気付いたのかこちらを見た。
バキッ――――
「おどりゃあ、客人の前で何抜かしとんジャ!!オゥ!!」
松下が男を殴った。
男は壁にぶつかると倒れた。
「多田…おどれ、また全部回収できてねーな?ぁあ!?」
グシャグシャ―――――
靴の裏で多田の顔を踏み潰す。
彼の口から出た血が周りに飛び散った。
「………っ………。」
あたしは声にならない悲鳴を上げた。
「テメーは仕事もまともに出来んのか?ガキ以下か?」
グシャグシャ―――
松下の足は止まらない。
「あ…あの松下さん。」
「ぁあ!?なんジャ!?」
「女の子がビビってます。」
堂本が耳打ちした。
「………。」
松下は多田から足を下ろすとこちらを向いた。
「いや、お見苦しいものお見せしてしまって。オイ、林。」
「はい。」
「そのゴミ外に出して片付けとけ。」
「はい。」
林は返事をすると片付け始めた。
なんて人だ。
人をゴミ扱いしている。
あたしは、恐怖を覚えた。