第18章 絶望から希望へ
「ん……。」
目が覚めると知らない所のソファーにいた。
机や書類がいっぱいある。
どうやら、どこかの事務所のようだ。
「おはよう、お嬢さん。」
上からオールバックで左頬に傷がある大人の男性が笑いかけてくる。
服装はなんだか派手なスーツだ。
「あの…ここどこですか?」
恐る恐る尋ねてみる。
「岩中興業の事務所だよ。」
また、笑顔で言った。
「え…。」
あたしは目を見開いて男性を見た。
「あぁ、驚かしてしまったね。俺は、こういう者でね。」
そう言って名刺を渡された。
そこには、"岩中興業 代表取締役 松下 直仁"と書かれていた。
松下!?
あたしは前に極使天馬の人が言っていたことを思い出した。
この人だ。
誠也君を打ったのは。
恐る恐る彼に目を向ける。
「どうしたの?」
松下は、笑顔であたしを見ている。
逆にそれが恐かった。