第18章 絶望から希望へ
「どうぞ。」
「どうも…。」
テーブルの上にコーヒーと砂糖とミルクが置かれる。
「でね、君にはねうちのわかがしと会って欲しいんだよ。」
さっきとは売ってかわって笑顔で言われた。
「…わかがし?」
あたしは首を傾げる。
「あぁ、わかがしというのはね"若頭"を俺等の中ではそうよんでるんだ。若頭というのはね、親子の擬制的血縁関係で成り立つヤクザの社会で、子分の筆頭を意味する役職のことをいうんだよ。」
「……そうなんですか。でも、なんであたしが?」
「君みたいな若くて可愛い子ならわかがしもお喜びになるだろうからね。」
まだニコニコと笑っている。
彼が言っている事はこうだ。
ヤクザの若頭の女になれ…と。
「いや、写真見せたらさ…会いたいっていうんだよ。」
「え…あたしには。」
「あぁ、秋本君の事?彼なら大丈夫だよ。」
「え?」
「だって……
今日死ぬから。」
松下は不気味に笑った。