第18章 絶望から希望へ
「勇人…よくやった。それでこそ男だ。」
「なんやワレ!?」
「あ?コイツの保護者に決まってんだろうがよ。」
「は…はなせ!!」
誠也君は男に近付くと男の腕を掴んだ。
バキ―――
「ブヘッ―――」
そして、男の顔面を殴る。
ドサッ――
「勇人君!!」
男の手から勇人君が落ちた。
あたしは急いで勇人君に近寄る。
「きっきさん…岩中組にたてつくんか!?あぁん!?」
男が鼻血を出しながらメンチをきっている。
口から見える歯はほとんどない。
「テメー、くせぇゾ?」
「あ?」
「アンパンくせえっていってんだ、バカヤロー!!」
グシャ―――
誠也君は男の頭を掴んで膝で蹴飛ばした。
男が大量の血を吹き出す。
「あが……が……」
男の鼻が無惨なことになっている。
地面でもがきだした。
「アンパンや薬に手え出して…ガキにも手え出して…クソだなテメーは。」
グシャグシャ―――
スニーカーの裏で男の頭を踏みつける。
「ご…ごふぇ……。」
男が何かを言おうと必死になっている。
「せっ誠也君…。」
あたしは恐くなって彼から目を反らした。