第18章 絶望から希望へ
「誠也君、どう?」
カット仕立ての髪を彼に見せる。
「全然かわんねぇ。」
彼は不機嫌そうに応えた。
「怒ってるの?」
「べつに。」
と言いつつも眉間にシワがよっている。
本当に分かりやすい人だ。
「朝日様、出来ました。」
「はい。」
美容師さんの声にあたしは振り向いた。
するとそこには男らしい短髪になった勇人君が。
すごく勇人君に似合っている。
「わぁ、すごくいい!!ありがとうございます!!」
「いいえ。どういたしまして。」
「お会計は…」
「カードで。」
あたしは、財布から金色のカードを出した。
「では、ここにサインを。」
言われた場所にサインをする。
「ありがとうございました。またおこしくださいませ。」
店を出ると美容師の方に見送られた。