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レッテル 1

第18章 絶望から希望へ




「あれ?桜ちゃんて結婚してたっけ?」

あたしの髪を切りながら店長の小川さん(男)が言った。
小川さんはかっこよくて優しい奥さん想いの人だ。

「え?違いますよ。赤髪の人は彼氏で、今事情があって勇人君を預かってるんです。」

「ふーん、そうなんだ。でも、意外。」

「何がですか?」

「だって、君の彼氏そっち系の人っぽいから。もっと、優しそうな人選ぶのかと思ってた。」

「え?そっち系て?」

あたしはカットしている小川さんを鏡越しに見た。

「ん―…何て言うかなぁ…暴走族とか。」

「え!?」

「なーんてね。恐そうな人だからさぁ。」

小川さんは笑いながら言った。

"その通りです。"

あたしは心の中で応える。

「でもさ、ホントに桜ちゃんの事好きなんだね、彼。」

「え?」

「だって、さっきからずっと不機嫌そうにチラチラとこっち見てるから。」

また、小川さんは笑った。
あたしは鏡から誠也君の方を見た。
確かに彼は不機嫌そうだ。
しかも漫画を読みながらこっちをチラチラと見ている。
ヤキモチ妬きの彼だ。
きっと小川さんにヤキモチを妬いているのだろう。
思わず、吹き出しそうになった。

「見た目と違って優しいのかな。見た目で判断しちゃいけないね。…はい、出来たよ。」

後ろに鏡をあてて小川さんは言った。

「ありがとうございます。すごく良いです。」

「じゃあ、髪を洗おうか。」

髪を洗い流す所に案内される。
ついでにトリートメントもしてもらった。



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