第18章 絶望から希望へ
「この子をとびっきりかっこよくしてください!!」
美容室に入ると店員さんに向かってあたしは言った。
「お前…。」
誠也君は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「はっはい。朝日様、いつもご贔屓にありがとうございます。今日はどうなさいますか?」
奥から美容師の人が出てきた。
「だから、この子をとびっきりかっこよく…」
「いえ、朝日様ですが…。」
「へ?」
美容師の人は苦笑しながら言った。
「バカ…。」
後ろで誠也君が呆れている。
「あっ…あたしは毛先と前髪カットとすいてください。」
「かしこまりました。では、お席へどうぞ。」
そう言ってあたしと勇人君は席へ案内された。