第17章 危険な企み
八時間前―――
PM6:00
「なんジャワレ!!また回収出来んかったんかい!!オウッ!!」
グシャ――
男の口から血が飛び出る。
松下は男の顔を踏み潰したのだ。
事務所の中で。
「すっ…すぴ…ません…。」
掠れる口で喉から声を吐き出す。
血と共に。
「しかも、高校のクソガキに殺られたやとォ?ワレ、ワシに恥かかそう思とんのか?ぁあ!?」
グリグリと足に力を入れる。
「ガキの特徴言ってみィ…夛田。」
松下は足を離すと威圧的な目で夛田を見た。
「あ…赤髪に…ひ…額に…傷。それ…に、綺麗な女と…伊中の…ガキ連れてました。」
夛田は出せる声を力いっぱい出して言った。
「赤髪…傷……クックックッ――。」
松下はそれを聞くと不気味に笑いだした。
周りの者は一気に恐怖を感じた。
「ようやったわ、夛田ァ。おい、光浦ァ。」
「はっはい!!」
光浦が立ち上がる。
「ワレ、秋本の女調べろ。」
「はい!!」
返事をすると光浦は事務所を飛び出した。
「こりゃあ、一石二鳥とはァ…この事だな。クックックッ……。」
再び彼は笑った。