第17章 危険な企み
電気を暗くした後、あたしと勇人君はベッドで寝ていた。
誠也君は床に布団を敷いて寝ている。
「……ん…。」
完全に寝ていたあたしは、誰かに揺らされて目が覚めた。
重たい瞼を開けると誠也君の顔があった。
「…来て。」
彼の布団に誘われる。
忘れていた。
誘われてたんだっけ…
あたしはコクりと頷くと、勇人君を起こさないようにベッドを出て彼の布団に入った。
「桜…。」
彼の手があたしの頬に触れる。
彼の顔が近付いてきた。
後少し…
後少し…
「お父さん…お母さん…ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!」
その時、ベットから泣き叫ぶ声が聞こえてきた。
あたしは飛び起きた。
勇人君だ。
ひどくうなされているようで汗をかいている。
「……たく。」
彼も起き上がった。
不機嫌そうに。
「大丈夫だよ…大丈夫だよ…。」
あたしは勇人君を抱き締めた。
それは、深夜二時過ぎまでつづいた。