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レッテル 1

第17章 危険な企み




「………。」

ゴロ―――

「………。」

ゴロ―――

「………。」

ゴロ―――

先程からジャガイモがシンクで暴れている。
否、正確に言えばあたしの手から逃げ出しているのだ。
はっきり言おう。
あたしは料理は得意ではない。
いつも料理の得意なママに助けてもらってるから出来てるだけであって、一人じゃなにもできない。
だから、先程から手が震えている。
しかも、後ろから彼がジッと見てるだけあってなおさら緊張する。

「……かして。」

黙っていた彼があたしの手から包丁とジャガイモを取った。

「え…。」

あたしは驚いた。
彼の手におとなしく収まったジャガイモの皮がみるみるうちに剥けていく。
しかも綺麗に早く。
ニンジンもたまねぎも。
そして、あっという間にカレーは出来た。
彼の手によって。

「………。」

あたしは項垂れていた。

あたしの立場って…何?

「風呂も沸かしたし入るか?」

なんて男らしくて女らしいんだこの人は。

あたしは彼を下からジッと見つめた。

「桜…風呂。」

彼が不思議そうに見ている。

「三人で入ろう。」

あたしは何も考えずに言った。
彼は驚いていたが。

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