第17章 危険な企み
馬場団地をでた後、あたしの家に寄った。
リビングで彼と勇人君がソファーに座っている。
「あら、桜ちゃんお友達?」
料理教室から帰ってきたママがリビングの入り口で言った。
「彼氏の秋本 誠也君と伊中 勇人君だよ。」
「あらまぁまぁ、そうなのぉ。こんにちは。」
ママはおっとりとした口調で軽く頭を下げた。
「…こんちわ。」
誠也君も頭を下げる。
「………。」
勇人君は小さな声だったので聞き取れなかった。
「あ、ママ。暫く誠也君の家に泊まるから。あとさ、棗の小学生の時の服ある?」
「小学校の時の?あったかしらぁ?無かったかしらぁ?たしか、洋服部屋にあったようなぁ…。」
ママは首を傾げながら悩んでいる。
「ママ、探してきて。」
「はいはい。」
あたしが言うと、笑顔で頷きながら応えていた。
そして、部屋を出ていく。
「あたし、荷物用意してくるから待っててね。」
「あぁ。」
彼が返事すると、あたしは自分の部屋に向かった。