第2章 転落
「そういえば、さっき何言ってたん?」
出来立てのカレーライスを食べながらあたしは松崎君に尋ねた。
「別に。」
彼は拗ねたようにガツガツとカレーを食べていた。
「?」
あたしはそれを不思議に思ったがそれ以上聞かないことにした。
ブーブー
そんな時、ポケットに入れていた携帯が震え始めた。
メールだ。
慌ててディスプレイを見る。
誠也君だ。
「誰々?」
麻央が訪ねてくる。
「誠也君。」
あたしは嬉しくて笑顔で応えた。
「うわぁ、マジで?いいなぁ。」
「えへへ、すごくう――」
ガシャン―――
松崎君が勢い良く立ち上がった。
「竜?」
隣で山中君がキョトンとしている。
「おかわり。」
そう言って彼はご飯をつぎに行った。
「わかりやすっ。」
隣で麻央が呟いた。