第2章 転落
夕方。
野外炊飯の為班で行動している。
麻央と山中君と吉田君と中原さんはカレー作りで、最悪な事にあたしと松崎君がご飯を炊く係りだ。
そもそもこうなってしまったのはじゃんけんで負けたせいだ。
でも、麻央や山中君はなんだか怪しい。
仕組まれてたのかな?
「おっせーな、貸せよ。」
「あ…。
そう考えていると松崎君があたしから鉈と木を取り上げた。
「……さっきの事気にしてんのか?」
テキパキと木を切りながら彼が呟いた。
「え?…ちがう。
「ならいい。」
彼が太い木を拾う。
「……彼氏となげえの?」
そして再び鉈を持つとポツリと呟いた。
「一年半くらい。」
「好きか?」
「うん…。」
そう返事すると、そうかと彼は応えた。
あれ?一瞬、彼は辛そうな顔を…した?
けれどあたしは気にすることなく薪を拾った
「朝日。」
「ん?」
「もし…もし俺がお前のこと…――――」
「さくちん、ちょっと来てー。」
「うん。」
松崎君は何かいいかけていたが、麻央に呼ばれたのでそちらへ行った