第17章 危険な企み
「逃げんな!!」
男の子と子供達が走ってくる。
そして、男の子はあたし達の後ろに隠れた。
「どけよ!!」
子供達があたし達に叫ぶ。
「………。」
誠也君は無言で子供達を見下ろしていた。
彼の目が恐い。
でも、彼は普通にしているつもりだ。
「…うっうわぁぁああん、ママー!!」
子供達は泣きながら逃げていった。
「大丈夫?お家どこ?」
あたしは鞄からハンカチを出して男の子の汚れを落とした。
「…馬場団地。」
ボソリと消え入りそうな声で男の子はいった。
「この子送っていってもいいかな?」
彼に尋ねる。
「………あぁ。」
彼は面倒臭そうに頭を掻くと返事した。